アレルギー外来
※アレルギー科は小児以外も診察しています
気管支喘息
気管支喘息の診断は、従来、肺能検査(スパイロメトリー)でなされますが、スパイロメトリーは患者さんの努力を要し、小児や肺機能の低下している高齢者では検査ができませんでした。また、スパイロメトリーは努力性換気を評価するシステムであり、安静換気の評価はできません。このような観点から、当院では安静換気を評価できる広域オシレーション法(MostGraph-01)を導入しています。安静換気を評価できるため、小児(3歳以上)や高齢者でも検査が可能であり、咳喘息、気管支喘息の早期診断と治療効果の評価に役立っています。また、MostGraph-01の結果は、カラー3Dグラフィックで表示されるため、病状を視覚的にとらえることができ、小児でも自分の状態を容易に理解できます。
気管支喘息の炎症はウイルス感染によるものが多いですが、基盤となるアレルギー性炎症は小児では環境抗原(ダニ、ペット、カビ等)が原因であることが多いです。そのため、当院では原因検索として、詳細な血液検査を施行し、原因究明を行っています。
治療は、学会のガイドラインに沿って、患者さんの状態にあった治療を選択し、発作を予防する治療(環境整備、吸入療法等)を行っています。また、自宅での吸入療法が必要な場合は、年齢により吸入器や吸入補助具等のご購入を提案させて頂いています。
食物アレルギー
食物アレルギーには、食物摂取後30分以内に発症する即時型免疫反応と摂取後数時間から発症する遅発型、摂取後2-3日後に発症する遅延型免疫反応によるものがあります。当院では、詳細な問診、血液検査、皮膚テスト等から、本当に食物アレルギーがあるのかを判断しています。最終的には食物負荷試験で確認しますが、危険性がある場合は施行していません。
食物アレルギーの「治療薬」は現在の医学ではありません。したがって、適切な除去食と内服、外用療法等の対症療法が治療の主体となりますが、幼児期からは積極的に食物アレルギーを克服するための、舌下・経口免疫療法も行っています。
詳細は、御相談ください。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、年齢により原因が異なります。乳児期では食物が原因で発症することが多いですが、幼児期以後では環境抗原が原因となることが多いです。
当院では、詳細な問診、血液検査、皮膚テスト等から、原因を確定し、原因の除去と外用療法を併用しています。また、年齢と身体部位により皮膚の厚さが異なること、乾燥しやすさ等は個人差があり、これらのことを考慮した抗炎症療法とスキンケアの指導も行っています。
軽症例ではスキンケアを適切に行うと数週間で軽快することもありますが、基本的には抗炎症剤(ステロイド、タクロリムス)の外用と保湿剤による治療を行います。抗炎症剤の外用療法については、その必要性についてきちんと説明し、十分にご納得頂いた上で治療を開始いたします。
乳児期から皮膚をきれいに保つことは、痒みを抑制し、皮膚のバリア機能を維持することで、正常な発育や発達を促進すること、乳幼児期にかけてのアレルギー反応の進展(アレルギーマーチ)を抑制することに貢献します。
アレルギー性鼻炎、結膜炎
アレルギー性鼻炎・結膜炎には、季節性のものと通年性のものがあります。
当院では、詳細な問診、血液検査、皮膚テスト等から、原因を確定しています。治療は点鼻・点眼薬、抗ヒスタミン薬の内服療法があります。当院では、眠気や学習(集中力、判断力、作業効率)に影響が出ない抗ヒスタミン薬を選択しています。これらの治療で症状がコントロールできない場合は、耳鼻科や眼科にも協力をお願いしています。
また、アレルギー性鼻炎・結膜炎は、喘息に合併することが多く、同時に治療をすることで喘息を改善させる効果が期待できます。
国民病とも言われているスギ花粉症は、花粉飛散開始前から予防治療を開始する初期療法と花粉飛散時の症状をとる対症療法が行われています。また、2014年1月にスギ花粉エキス製剤における舌下免疫療法が保険適用となったことで、根治療法である免疫療法が2014年10月以後から本邦でも開始できる予定です。
初期療法、対症療法、舌下免疫療法の詳細はお問い合わせください。