スギ花粉症の舌下免疫療法について
スギ花粉症の舌下免疫療法治療薬の「シダトレン®」が2014年10月8日から発売されます。本治療は、スギ花粉に対する皮膚テストまたは特異的IgE抗体が陽性で、スギ花粉飛散時期(2月から4月)に症状(くしゃみ、鼻水、鼻閉、咳嗽、目の痒みおよび充血、皮膚の痒みおよび紅斑、全身倦怠感等)を認める方が対象となります。
12歳以上の方が保険適用で、スギ花粉飛散前(2014年度は10月から12月、2015年以後は6月から12月)からの投与が必要です。スギ花粉飛散時期からの投与はできません。新医薬品のため2015年10月までは2週間ごとの処方となります。
具体的には、治療の概要や服用方法ならびに投与前後の注意すべき事項や発現するおそれのある副作用とその対策についての十分な説明を受けて頂き、同意書にサインを頂いた上での治療開始となります。投与開始日は、クリニック内で1回目の投与を行い30分間の経過観察が必要です。2日目以後は自宅で指定量を毎日舌下に2分間保持したのちに飲み込みます。3週目からは維持量となり、以後3年から5年間の毎日の自宅投与が必要です。効果は、第2シーズン目から花粉飛散時期の症状の軽減・症状改善薬の減量を有意に認め、寛解(17%)も得られています。また、免疫療法では、新たなアレルゲン(花粉等)に対するアレルギー症状発現を予防する効果も報告されています。加療をご希望の方はご相談ください。
2018年6月からはシダキュア錠(室温保存可)が発売され、5歳以上で使用できるようになりました。また、2019年5月からシダキュア錠の長期処方が可能になります。詳細は診察時に相談ください。